学会報告:妊婦さんの温泉入浴は本当にOK! — ご本人の自己責任です

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高原で朝日を浴びる妊婦
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妊婦が禁忌とされたのは1982年。解禁されたのは2014年。

今週末、岡山で開かれている「日本温泉気候物理医学会」では、いまさらながら、長年研究されていた先生からの最終報告があったようです。

14年にわたる検証が最終報告に至ったのです。

以下、2014年に解禁になった経緯の記事を引用させていただきました。

妊婦が禁忌とされたのは1982年。その理由を環境省に問い合わせると、「調べたが、わからない」としつつ、こう推察した。

なぜ今になって見直されたのか。その経緯について、温泉の効能・効果を研究する日本温泉気候物理医学会の理事で、国際医療福祉大学大学院教授の前田眞治(まさはる)氏はこう語る。

「2005年、環境省から温泉利用に際しての禁忌症について、科学的な裏づけをしたいので検証してほしいと依頼されたのです」

学会は、国内外にある入浴や温泉と妊婦の健康についての論文を改めて検証。心拍数や体温上昇に関する報告はあったが、危険性を示すものは一件もなかった。これらの結果を環境省に報告したことが、今回の見直しにつながったという。

「大正時代、高温で長湯をする習慣があり、それが妊婦の体に障るから危険と言われていたようですが……」(前田氏)

出典:2014.4.17 週刊朝日 32年ぶり妊婦の温泉入浴 解禁された意外なワケ

https://dot.asahi.com/wa/2014041600057.html?page=1

今でいうと、マタハラに近いなにか、いわゆる妊婦に対する偏見が多いことの裏返しなのかもしれないと推測しつつ、温泉施設経営者としては、お客様やおなかの中の赤ちゃんに何かあっては一大事…

…心中、お察し申し上げます。

「妊婦さんの体は一般の人に比べて脆弱(ぜいじゃく)。初期はつわりがあり、後期は出産間近。温泉に入ると長湯をしがちで、気をつけたほうがいいということだったのではないか」(環境省自然環境局自然環境整備担当参事官室)

「どんな入り方をしても問題がないわけではない。体調が悪いときは入浴を控える、のぼせるまで入らない、汗をかいたら適度な水分補給をするなど、常識の範囲内で楽しんでほしい」(前田氏)

出典:2014.4.17 週刊朝日 32年ぶり妊婦の温泉入浴 解禁された意外なワケ

https://dot.asahi.com/wa/2014041600057.html?page=1

今回の学会報告では、以下のような報告がされてます。

年齢・出産回数について、温泉トラブルとは関連なかった。日常的な温泉入浴者とそうでないものについて、妊娠の初期と中期と後期では、いずれもトラブルと関連していなかった。妊娠後期の温泉入浴は、むしろトラブルがすくないことと関連があった。1)

日常的に温泉浴をする妊婦において、そうでない妊婦とくらべて、産科的トラブルが増加することはないことが確認できた。温泉の禁忌症から“妊婦”の項目が削除されたことは適正なことであったといえる。

以前より、インターネットで情報発信し、啓発されていた産婦人科の岩永先生の研究報告です。

以下、妊婦さんがいらっしゃるなど、ご興味がおありの方はご参考にどうぞ。

妊婦さんによくある温泉Q&A
Q1:妊娠しても温泉に入って大丈夫でしょうか
Q2:温泉の注意書きに ”妊婦は禁忌” と書いてありますが?
http://www.iwanaga-ladiesclinic.gr.jp/pg634.html
岩永レディスクリニック監修

日産婦医会報(平成22年2月号)
妊婦と温泉
http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/TAISAKU/kaihou/H22/H22-02.htm
医療対策委員会委員・日本温泉気候物理医学会認定温泉療法医 岩永 成晃

最近、本をご出版されたり、テレビや雑誌、インターネットでも露出されている早坂先生も参加されているプロジェクトだったようです。

令和の化石としては…浦島太郎気分ですか?新しい方々がどんどん参加されているのですね。

いつも学会プログラムなどはチェックしていることを主張したいですが、リアルでは最近ご無沙汰している状況です!

(自宅でこれを書いていますからね)

概要

妊婦が禁忌とされたのは1982年。解禁されたのは2014年。

目次
      1. 妊婦の温泉浴の安全性の検討(最終報告)— 学会抄録集より
      2. 妊娠中に温泉旅行をしたママたちのエピソード— たまひよ記事より
      3. 2014年、解禁された当時の記事やコンテンツ

妊婦の温泉浴の安全性の検討(最終報告)— 学会抄録集より

内容を抜粋してお知らせします。

学会報告ではここに具体的な数字がついて、グラフや表があって、早坂先生や岩永先生が動いてしゃべって…(割愛致します)

学会の昔話も、今後させていただきますのでご期待ください。

妊娠初期から分娩までの期間、温泉地(別府市、指宿市)に居住する妊産婦へ自記式調査票にて以下の調査を行った。1)

1)年齢(妊娠終了時)
2)過去の出産回数
3)温泉入浴の状況:
妊娠時期(初期・中期・後期)別に
・日常的な温泉入浴の有無と利用頻度
・内湯温泉やや自宅外の温泉施設の利用の有無

4)妊娠中のトラブルの有無:
流産(妊娠初期の流産は除外)、早産、切迫早産、妊娠中毒症・妊娠高血圧症(浮腫、高血圧)等
について調査した。

回収数1721(回収率86%):平均年齢:30.8歳(17歳~49歳)、初妊娠643経産婦1,078であった。

とのことでした。

さすが、別府・指宿ですね!

協力する妊婦さんの姿勢に郷土愛を感じます。

妊娠中に温泉旅行をしたママたちのエピソード— たまひよ記事より

「温泉入浴に関する一般的なルール」×「妊娠中に注意すること」に気を付ければ問題はないということで、通常の状態とは違う留意点が多くあるのは事実です。

妊婦のなかには、温泉に入ることで子宮などへの細菌感染を不安視する声もあるが、それについても岩永氏は否定する。

「大勢の人が入浴することによる感染リスクは温泉に限ったことではなく、どの公共浴場でも同じこと。温泉浴そのものが感染の原因になることはないという学会報告があります」

2014.4.17 週刊朝日 32年ぶり妊婦の温泉入浴 解禁された意外なワケ

https://dot.asahi.com/wa/2014041600057.html?page=2

また、こちらの温泉での経験を語る生の声にはドッキリします。
事前の調査&自己責任、一緒についてきてもらう人が必要、結局旅先の病院で緊急出産など、妊婦さんご本人の判断がやはり重要といえます。

妊婦は温泉に入っていい?温泉を楽しむポイントは?(たまひよ)
https://st.benesse.ne.jp/ninshin/content/?id=20313
監修者
北島米夫先生(北島産婦人科医院 院長)

浴槽に左足を入れようとする女性の両足

今回の学会発表をされている岩永先生はこちらをご一読することをすすめられています。
妊婦さんだけのものではなく、一度ご確認いただき、認識を新たにして頂ければと思います。

温泉を、楽しく安全に利用するための、わかりやすいパンフレット「あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは」が、日本温泉気候物理医学会の監修で、環境省から発行されています。
https://www.env.go.jp/nature/onsen/docs/zentaiban.pdf

2014年、解禁された当時の記事やコンテンツ

32年ぶり妊婦の温泉入浴 解禁された意外なワケ
https://dot.asahi.com/wa/2014041600057.html?page=1

新潟県村杉ラジウム温泉などラジウム温泉の研究や効能についての資料をまとめたサイトです。
http://www.murasugi.com/contents/article-01-001

村杉ラジウム温泉奇跡の効能ラボ
「妊婦さんは温泉ダメ」は、根拠なし 環境庁基準から削除へ
温泉の適応症の表示が改正されます
2014年01月24日
http://kadoyasan.com/anzan23anshin.html
角屋旅館

本日は2014年、妊婦さん、温泉解禁!にタイムスリップした気分でした。
実際には、本当に温泉入浴は禁忌ではないようです。

これからも、温泉療法医としての目線で、健康づくりに役立つ様々な温泉医学情報をご紹介していきたいと思います。

セルフメディケーションの時代、ぜひ、日常にお役立ていただけましたら幸いです。

本日はご訪問・ご拝読頂き、誠にありがとうございました。
今後とも、よろしくお願い致します。

1)第84回日本温泉気候物理医学会「超高齢社会における温泉医学」総会・学術集会
  プログラム・抄録集
  妊婦の温泉浴の安全性の検討(最終報告)
  A Study on the Safety of Hot Spring Bathing for Pregnant Women
  岩永 成晃、早坂 信哉、宮田 昌明

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