鹿教湯温泉 つるや旅館 — 文殊菩薩の化身、鹿が教えた長野の温泉

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長野県 鹿教湯温泉つるや旅館の露天風呂

つるや旅館、は奈良時代に高野山から移住してきた先祖の末裔で、鹿教湯温泉にある他の旅館は分家なのだそうです。近くに長野県県宝の、奈良時代創建の文殊堂があるのですが、ここを創建した僧と一緒に高野山から来たのだと女将が教えてくれました。実際、つるや旅館は文殊堂に接していて、ほぼ同じ広さの広大な敷地です。

つるや旅館
http://www.tsuruya-ryokan.co.jp/index.php

明治時代の鹿教湯温泉とつるや、「鶴屋」の書。
つるや旅館自体は室町時代から経営を続けているそうです。

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宿の常連だった昭和天皇の書の師匠「天外」の作品
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明治時代の鹿教湯温泉

鹿教湯温泉の歴史は長く、文殊菩薩が鹿に化身して湯の在りかを教えたという伝説から命名されています。
詳細はこちら公式サイトをご覧ください。
https://www.kakeyu.or.jp/

特に江戸時代は湯治場として栄えていたようで、真田家居城地の上田と国宝松本城との中間の山間、他、長野県のリゾート地やスキー場へのアクセスも便利な場所にあります。

長野県の鹿教湯温泉、かけゆおんせん、と読みます。私は主にいつもTwitterを見ていて、参考にしている方々もこちらのSNSですが、相互フォローになっている温泉フォロワーさんは知ってる方が多いアカウントだと思います。

マニアの方には、泉質が気になるところの、こちらの温泉は単純温泉で、源泉掛け流しの温泉として温泉療法医からも評価の高い、とても素晴らしい泉質です。

源泉かけ流しの温泉旅館は近所の霊前寺温泉と合わせて多く、特に、つるや旅館は館主の方が温泉療養指導士と温泉入浴指導員の資格をお持ちで、温泉医学を知らない方でも健康に良い、入浴方法を教えてもらえる有意義な過ごし方ができると思います。

特に、つるや旅館には湯治向け連泊プランもあるようですので、一度お試しください。

温泉療法医として特筆すべき点として、ここの温泉には温泉病院が残っています。日本温泉気候物理医学会の専門医教育施設として指定されている、鹿教湯病院が1956年、昭和31年に開設された鹿教湯温泉療養所にあたります。
年表はこちらです。
https://km-rehacenter.jp/kakeyu/03.html
鹿教湯病院のあゆみ

つるや旅館の浴槽は、貸し切り風呂が二つ、男女大浴場が各二つで計四つ、露天風呂が三つあり、すべての浴槽とすべてのシャワー、カランが源泉掛け流しで飲むことができます。全ての温泉注ぎ口、全てのカランにも飲泉のためのカップが置かれていました。

写真のように注ぎ口には温泉成分が凝集しています。露天風呂は川に面しておりせせらぎを聴きながら、森を見ながら入れてとても気持ちいいです。文殊堂も見えます。

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全て源泉かけ流し
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森林を活かした天蓋からの採光
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森林浴気分
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全面窓で開放的
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バリアフリーも意識されている?
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外と一体化できる露天風呂が開放的

貸し切り風呂は、空いていればいつでも無料で入ることができます。大浴場は男女とも二つずつあるのですが、普通の温度と38℃くらいのぬるめのお湯になっており、ぬるいほうは一時間でも入り続けていられます。どの浴槽のお湯も、新鮮なのがよく分かる肌ざわりで、お湯がとても軽く、匂いなど特長はないのですが普通のお湯と全然違う感触なのがすぐに分かります。これは久しぶりの感動するお湯でした。

ここは、長島茂夫、羽田孜など有名人が何人も長期滞在しているそうです。ロダンの青銅時代のオリジナルの型は世界で五人しか持っていないのだそうですが、そのうちの一人が日本人で、その人もこのつるや旅館に湯治にきていて、悪かった目が見えるようになったとのことで、お礼にロダンの青銅時代を寄贈したのだそうです。ロビーに置かれていました。

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ロビーに飾られているロダンの彫刻
ロビーからも緑豊か

また、昭和天皇の書道の先生だった、天外、という書家も湯治にきていたそうで、天外の書もフロントに飾られていました。

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鶴屋と書かれた書の作品もこちらも天外の作品
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客室はこんな感じ

今のご主人は、温泉に関する資格をいくつも取っていて、温泉に関する話をたくさんしてくれました。面白かったのが家での風呂の入り方で、20分間苦痛なく入っていられる湯温で入るのがいいとのことでした。根拠は、20分同じ刺激を与えると身体に変化がでるからだそうです。

療法医は学術的で、指導士は実際の入浴方法に詳しい印象が残り、いろいろお話がお伺いできてよかったです。

最後に、つるや旅館の隣にある、文殊堂。

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鹿教湯文殊堂 上田市ホームページより
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文殊堂内部
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天井の碁盤の目にもたくさんの絵が
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立派な昇龍も
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当日天気が良すぎて屋外の文殊堂の画像はこれだけ

本日はご訪問・ご拝読頂き、誠にありがとうございました。
今後とも、よろしくお願い致します。

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